Works

2018年1月 小説現代 2月号

短編『ヨイコのリズム』

講談社 1,019

天井から聞こえた三回の足踏み。ヨイコからの「助けて」の合図だ。

小学五年生のコウは、公営住宅に住んでいる。上の階に住む中学一年のヨイコとは幼なじみだ。ヨイコは中学生になってから、あまり笑わなくなった。今夜も「助けて」の合図が聞こえた。コウはいてもたってもいられず、かけつける。